糸/
ミナト 螢
足踏みをしてた昨日の空を
吊り上げた指が時間を解く
小さな結び目の数だけ休み
穴のような満月に落ちると
心に通す糸を増やしたり
交わるたびに染まっていくけれど
寂しさを繋げて鈴にするから
似た色の人ばかり探してる
後ろ向きに置いてきた言葉を
背中に乗せてくれる優しさで
振り返る時の痛みを分けた
ふたりの力で抱きしめたいな
青の中の今 星の下の影
積み木が倒れる前に戻った
唇に微かな音を残して
果たした糸が素肌に絡まり
曲がりくねった蛇の道を行く
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