可笑しな切なさ/秋葉竹
べつに嫌いだとか
そんなことではないのです。
なんだか可笑しすぎて
笑いすぎて苦しくて、涙が出てきます。
しっかし、寒いなぁ、
カラダだけならまだいいんだけどね、
ココロまで冷え切った
初冬の孤り寝の夜長。
なぜあの人は
あんなに重たげな優しさを
自然なものだと嘘をついているの?
『寒すぎて寂しくなります』って
いやいや、それを聞くこちらの方が
両足が地面につかない
風船に乗ってるみたい、
嘘で人を刺すことが
まったくもって悪いだけのことと
いうつもりは無いのだけれど。
あの人の
優しさに潜む重たげな瞼を
真っ白なハタキではたいてやりたい。
大真面目な舌でつかれた嘘は
聞けば聞くほど切ない明るさに
照らされていて。
それでもう、
この身は寒くてたまらないのに
ただただ、
笑ってしまうしかないのです。
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