鬱憤に接吻 【都々逸】/ただのみきや
 
もる小石の道に 重い雪足し跡つけて


意図を気にして手繰(たぐ)り過ぎれば ほつれも穴も見えて来る


冬の嵐じゃ仕事にならぬ ならぬ鐘など誰が突く


冬の嵐じゃ仕事にならず ならず者でも金は要る


悪事の小舟不安が過る 慣れりゃ大渦ばか嗤い


すべて回りのせいにしたって 痛み悲しみ自分持ち


小さな影も入れ子は無限 病は気から木には種


ギター倒してうつろが響く 言葉まとえず鳴るこころ


書いて言葉は空(から)になっても こころ爛れて吐き続け


誰に抱かれることもないまま 芯まで冷えた裸婦の像




                  《鬱憤に接吻:2019年11月23日》










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