鬱憤に接吻 【都々逸】/ただのみきや
高いギターでうんちく語り ボロンと鳴らし仕舞う人
素面じゃ弾(ひ)かぬ吐くほど飲まず 歌の含みも酒で濡れ
部屋を片付け窓を開ければ 迷子の風も寄って往く
捨ててあげよかトランプ遊び 嫌な手札(てふだ)をチラリ見せ
捨てるも残すもトランプ遊び 選ぶは人で札(ふだ)じゃない
手札操(あやつ)るつもりでいるが 自分も札だと忘れてる
風が歌えば白雪踊る 頼みもしないアンコール
身を持ち崩し水へと流れ 生まれ真綿の白さでも
こんな話に涙を浮かべ あなたの水脈(みお)を辿りたい
松の葉積もる
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