たとえば小石の落ちる音のように/ホロウ・シカエルボク
 

折れ曲がり、赤茶色に錆びた釘…珊瑚のように歪で不吉なライン、頭の部分は半分潰れていて、半円―円弧の部分がボロボロのコンクリの上で揺り椅子のように埋もれていた…窓を失った枠からは雨粒が潜り込んでくる、確かに降ってはいるけれども、気にしないでいることはそんなに難しくない…オカマ野郎の宣戦布告みたいな、慎ましやかな雨さ―一日中日陰になるあらゆる部分は苔むしていて、放置されたコーヒーサーバーみたいなにおいが立ち込めていた…雨雲の隙間から早い午後の光が懸命に落下している、雨はもうすぐ上がるのだろう、手に持っていた飲みかけのペットボトルのキャップを開けて喉に流し込む、歩いてきた疲れはもうない―空になったそ
[次のページ]
戻る   Point(0)