行き場の無い手紙/卯月とわ子
 
昨日、
貴方が遠いところへいってしまった事を知りました。
その事実は私の思考を過去へと連れていき、あの日の後悔を強く思い出す事に。
さようならの挨拶が出来なかった。あの時も今回も。
いつかは誰もがそこへ行くのだと分かっていても、
日常から切り離して考えたくなるのが心情でしょう。
わたしだってそうです。
でも、逃れられないものだという事も頭の隅で分かっています。
分かっています。だからこそ思うのです。
貴方がいくには早すぎる、と。
遅ければ良いというものでもないと分かっています。
が、突然の知らせはあまりにも悲しくわたしの心に染みつきました。
まだ陰ったまま、晴れる事が無いま
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