凸凹/ミナト 螢
何もなかったと思うその場所に
横たわってる小さな虫歯が
少しの不安でぐらつくような
明日をまたいでどこへ行くのか
街は代謝する人は感謝する
この胸の中をバスが通るたび
眩しく光るライトが歯に染みた
麻酔が効いても薬が苦くても
味のわかる大人になりたくて
抜いたばかりの歯に重ねていく
過去を足したものは未来が握る
心にしまうプレゼントだけは
遠く離れたデパートで選んで
誰の指にも触れなくなるくらい
高い所から降らせてあげる
今日はいつもより優しく酔ってて
時計の音が気にならないんだ
痛みを手放したあの時から
数センチ先の夢を見ている
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