無数の血膨れの夜/ホロウ・シカエルボク
 
として、納得のいく回答は得られなかった、まあいい、どのみち頭で理解したところで、なにかが出来得るという状況ではないだろう―俺は呼吸を鎮めようと試みた、けれど上手くいかなかった、身体は自分のコントロールから外れていた、大きく乱れていた、大きく乱れて…まるで誰かに脊髄を鷲掴みにされて揺さぶられているかのような暴れようだった、何が起こっているんだ、俺はとうとうそれを口に出した、そうしないことにはもう他のどんなことも次の展開を連れてくることが出来なかった、汗が吹き出し―無理に声を出したせいかもしれない、心臓は一昔前に流行ったジャングルビートみたいに左胸で転がった…体温は奇妙なほどに下がり、それに伴って汗の
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