綿毛/ミナト 螢
 
頭上に残る星の足跡は
私がここで咲いてる証を

誰かが踏まないようにするための
クッションを並べた部屋みたいだね

ガラスの窓や扉はないけれど
空があるからみんなに手を振り

首を傾けてお辞儀するような
恋人と出会い笑っていたい

白い帽子を脱ぐ時が来たら
花嫁になって口付けを待つの

鳥がさえずり虫が飛び回る
野に咲く花は風の宅急便

宛て先のない場所でも届けるよ
どのくらいかかるか分からなくても

最後の夢だけ壊れないように
両腕に抱いて引っ越していく
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