径と銀河/
木立 悟
のたちを匿っている
黒い風が吹く 何も染めることのない
黒い風が吹く
左目は常に冬だけを見つめ
他の何かを映したことはなく
まばたきはばたきひらめき
こぼれ落ちる火の行方を記す
夜の灯のにおいが聞こえると
小さな月の群れが家々を巡り
足跡は昇り 朝となり
朝は朝に重なってゆく
多くは叫び 多くは閉ざす
黒のなかの黒の樹から
羽は生まれ生まれ生まれて
小さな銀河に径を照らす
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