君のための小説/チャオ
朝、布団から勢いよく跳ね起きる。
頭の中に張り付いた夢から現実を奪回せよ!時計の針は九時十分。ジャスミン茶三杯分の時間は残されている。
ビルの屋上の景色。
空とコンクリートの挟まれた、一時間ちょっとの自由時間。
休憩時間を奪回せよ!携帯電話のアラームが鳴る。
あの日、君と出会ったのは、試行錯誤な飲食店のレジカウンターの前。距離感を奪回せよ!と心に念じた、深夜に入りかけた夜。
イメージノートに書かれたイメージのかけらは、「君のための小説」と題名をもらって今でも書き溜められている。
鉄砲を持った少年と、赤く囲った小説が(今ではおぼろげな輪郭
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