ぼくだけの棺/もっぷ
いつまでも美しいだろう
この世で一番
葬列
あの人の
幾千幾万の花束と涙
いつまでも美しいままだろう
この世で一番に
求めたものは美しさでも
儚さでもなく 隣の気配だけだった
それだけのこと なのに
結果あの人が残したのは
美しさと 儚さと
隣には もう 気配はなかった
死の腐臭のみが 全く不似合いに
其処を支配して とっさに窓を開けた夜
求めたものは美しさでも
儚さでもなく 隣の気配だけだった
それだけのこと なのに
結果あの人が残したのは
美しさと 儚さと
いつまでも美しいだろう
きっとこの世で一番
葬列は しない
あの人の 棺はぼくだけのもの
幾千幾万の花束と涙 ぼくからの
いつまでも美しいままの記憶
この世で一番の この世で最後の ぼくだけの女神だった
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