そしてしあわせな夜へ/秋葉竹
あたしの祈りを
占うにつけて
星占いなどあてにならないと
言いたくなるんだ
知らされる
思いどおりにならない街だと
蜂の巣をかつて駆除しようとして
美しく透きとおるハネに見惚れたことがある
その美しさは天上の生き物のようで
架空の天使の原型とはこれかと
ハチに刺されながら
苛立ちながら
思ったのを覚えている
その夜こっそりすすり泣きながら
だれでもないこの
あたしのこころを守らなければ
だれも幸せにできないと言い訳して
よこしまな計算に
身も心も委ねてしまったこともある
掻きむしりたいほどの
嫌な過去で
二度と見たくもないほどの
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