予感/
ミナト 螢
線香花火の小さな大きな
膨らみのような熱いかたまりが
眼差しを広げた胸の奥で
体を丸めてうつむいていた
赤い涙を拭う間にも
消えていく炎が穴を開けると
暗闇の中で眺める鏡は
ひとりでいるから尖ったままだ
正面で向き合うその瞬間に
頬で感じる痛みや面影が
私を選んで連れて行くまで
背中を隠した光が好きだ
ハサミを入れた髪の毛は揺れない
あなただけを見つめてた心も
同じように動かなくなったら
天秤にかける重さがないの
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