秋の灯/秋葉竹
 


いちめんの漆黒の空に
銀色絵の具を 振りかけて
秋 星座 またたく 地上には すすきゆらす風

生きて味わった苦しみが
嘘でもあるかのように消えていき
一日を そこそこ懸命には生きたはず
散歩道 軽やかにリズムをとって歩くと
懐かしい夕餉の匂いが
あちこちの家の灯りからもれてくる

いままで泣きたいことはあったけど
死なずにはいさせてくれた誰かさん
それを神というなら神さんに
この 星空えがいた透きとおったデッサン力ふくめ
甘ったるい憧憬で心で手をあわせて感謝する

少しならだまされてあげてもいいよ

いちめんのすすき野をわけいって河原に出る

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