イエスタデイをうたって/本木はじめ
 
話してる途中であなたうわのそら、うつむくわたしに舞い降りた雪


子供でも大人でもなくわたしたちただのふたりであった三月


コンビニを無人にしたねわたしたち小春日和の冒険だった


さわやかな風が一陣吹いてきて何かが変わった気がした四月


奪い合ったリモコン遂に電池切れ何も付けずに過ぎ去る五月


愛のあるケンカだったねあの頃はグローブなしでも受け合えていた


あなたからもらったCD無傷でも見えない傷の多い六月


ソファーから立ち上がるきみまぼろしでそれでも声をかけようとする


あの頃がすでに思い出だとしたら、イエスタデイをうたってあなた





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