真似事――空白に遠く鳴り/ただのみきや
 
の鞘から抜いた女の刃(は)


曇天に風の手遊び楓舞う


絆絶ち風と踊る葉重ね見て


言葉取る受け手与え手意を違(たが)え


翻る言の葉裏の斑模様


求めても得ずに失う空の果て


鳥落ちる夜を渡った凪ぎの朝


理解とは頭のサイズに直すこと


理解とは言葉で出し入れできること


願わくば理解不能で愛したい


見つめよう枯葉の小舟沈むまで




             《真似事――空白に遠く鳴り:2019年10月27日》









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