わかれ わかれ/木立 悟
 
針が
小さく無数に光りかがやき
到くことのない吐息に霞み
朝と午後に溶け込んでゆく


むらさきの髪の子は
むらさきの羽の子になり
やがてむらさきの歌の子となり
むらさきの角を分け与えてゆく


どこまでも平らな空に
平らな地面が映り流れる
たなびきながら消える家々
誰もいない大陸の午後


ひとつは億の流れを見
億は兆の分かれを見た
分かれつづけひとりになる径
分かれてもなお ひとつの水

















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