わかれ わかれ/
木立 悟
針が
小さく無数に光りかがやき
到くことのない吐息に霞み
朝と午後に溶け込んでゆく
むらさきの髪の子は
むらさきの羽の子になり
やがてむらさきの歌の子となり
むらさきの角を分け与えてゆく
どこまでも平らな空に
平らな地面が映り流れる
たなびきながら消える家々
誰もいない大陸の午後
ひとつは億の流れを見
億は兆の分かれを見た
分かれつづけひとりになる径
分かれてもなお ひとつの水
戻る
編
削
Point
(3)