キンモクセイ/
ミナト 螢
鼻の通る道で
擦り合わせた
花びらが渡す
匂いの小袋
目には見えない
粒子が飛ぶような
風の流れに
心を開いた
言葉が少しずつ
欠けてくパズル
何かで埋めようと
探してみると
記憶は遠いほど
鮮やかだった
甘さに負けて
引き出す夢もある
見上げる空とは
無関係な色
夜になったら
同じく輝くよ
金木犀と呼んだ
時に思う
そういう名前の
星があればいい
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