真っ白な紙、塗れば絵、綴れば詩。/ホロウ・シカエルボク
目次を並べ過ぎた人生が血の混じる呼気をする午後に、極彩色の蝶の群れが辺りを飛び惑う―もっとも実感的な幻によって世界が塗り潰される、緩やかな、けれどどことなく不穏な旋律が死体を食らう蛆虫のように爪先から身体を這い上がってくる、レクイエムの乱打される中を、毒々しいほどに赤い飴を舐めている、そうすることで足りないもののことを忘れようとしているみたいに―どこかで、そうさ、騙すことばかりを考えて生きてきた―誰かを?それとも自分をか―?問いかける事ばかりのモノローグは誰にとってもなんの足しにもなりはしない、そしてそれは、思考によって羅列されるすべてのものに当てはまる…要、不要で語るなら、こんなもののすべて
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