雪になりたい/秋葉竹
 


わたしの時間はあのときから
すっかり止まってしまったんです

そして悲鳴は
とっくにわたしの絶望をふみしめて
わたしはあたまが空っぽだから
からだじゅうを毒で塗り固めているんです

じゃないと立っていられないから
どんな嘘を平気で使うのかは
思いやりのコップの水に
ありがとうっていってから考えよう

狂気は好き

棘をばら撒いて
くだらない夜の貝を
少しだけでも泣かせてくれるから


それならこれは君の声?

「死んだら、雪になりたい」

素直になれない 自分が嫌い
すべてを忘れた天使にも嫌われて
生きているだけでわかるんです
とても嫌な自分になっていきます
ひとり暖炉で手をあたためている
あたたかい涙を君にはみせたくなくて

それでもいつかは
悪を演じきれる魔女なりたいと

ちいさな声も消して
ただ
からだじゅうで黙るために
孤独で震えていたから
からだじゅうの夜が泣いたんです








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