あなたの風景/
水宮うみ
ひかりを知らないわたしはただ、あなたの風景になりたかった。
あなたを少しも知ることのない、言葉として。
好かれなくても好きになれなくても構わないけれど、
知らないままで通りすぎるのは嫌だった。
ひとそれぞれの風景の中にあなたがいて、
あなたの風景の中にひかりがあって、
ひかりを知らないわたしはただ、あなたの風景になりたかった。
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