シーツの赤月/容子
制服の短いスカートから伸びた二本の白い柔肌の足
繭糸を紡いでできた足の線混ざりけのない清潔な線
きず口を塞ぐかのように押し込んだあなたのそれは何かを語った
繋がったわたしはあなたを包むたび伴う痛みに小さく鳴いた
夕焼けの真っ赤な空が滲み込みシーツに浮かぶはわたしの赤月
真っ白いシーツに佇む月一つ生温かく脈打ちゆらぐ
悪い子ねシーツの月は呟いて鋭い三日月わたしを刺した
ごめんなさいあなたの娘は先程に自ら望み体を汚した
檻越しに丸まる兎の目に似てる真っ赤に濡れたわたしの両目
赤色に染まってシーツに栄える月隠れるわたしをしらじら照らす
帰り道背後に迫る満月がわたしを見るさま崩れて欠けた
汗ばんで湿った制服から薫るわたしの匂いが女性へ変わる
制服の短いスカートから伸びた二本の足は女へとなる
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