犬 猫/
蒼木りん
犬に罪は無いだろう
きっと
あなたにも
愛を受けて育った
けれど
序列を正す
愛を惜しまず
愛を乞う
あなたは
犬だ
常に側にいることが
良いことなのだと
思えない
私は
人気ない屋上のすみで
猫になる
反対側のすみにも猫がいる
言葉は交わさない
一定の距離のまま
目を瞑ったり開いたり
それで会話できる
猫同士だから
犬に罪は無いだろう
きっと
あなたにも
毛嫌いするのは
いつも
あなたのほうが先で
こういう
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