すずなり横丁の夜 に捧ぐ/梅昆布茶
ぶらっと寄らないかあの店へ
忘れられないひとが待っているかもしれないから
すずなり横町とライブハウス
本多劇場と誰も歌わないあのうた
ロングバケイションとお気にいりのロケーション
計器飛行を続けるこのよるの
懐かしいざわめきを
未来都市では生活できないだろう僕はそれでも未来がすきだ
僕たちの生活は些細なことで分解され
分析されて成長歴とか成人後の履歴とか
巨大なサーバーで管理されるのかもしれないが
未来都市では生活できないだろう僕はそれでも未来がすきだ
アドラー心理学の明解と美しすぎるウイーンと
ヨハンシュトラウスのワルツを踊るフロイト
テクノロジーと柔らかなお月様と
どこにも深くかかわれない自分があって
ぼくたちの夜が形成されてゆく
あるいは
ぼくたちのよるはどこにもとどかないかもしれないのだが
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