黄昏れの道/
山人
虫の音が
どこかの草むらで聞こえている
触角をふるわせて
葉の様子をうかがうことが
かれらの仕事で
葉先から零れ落ちる露を少し飲んで
またうたう
いたるところに黄昏れが満ちあふれ
一日の鎮静が
あらゆる発作が鎮まるように
あらゆる突起物の上を覆っている
とり憑かれた呪いも解けたのか
体内都市は
平穏なリズムを刻み始めている
あとは、その祭壇へと登るために
あたらしい小石を
ゆるやかな放物線で
たしかに投石するのだ
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