朝は来ない/
坂本瞳子
獣(けだもの)の夜に
暴れだしたい欲望を抑えつけて
のた打ち回って
はけ口を求めて
彷徨いたいのだけれども
自らの目をえぐり出すほどの
高潔なる勇気など持ち合わせず
ただひたすらに堕ちてゆきたいと
夢見心地に浸りつつも
求める唇が裂けてゆくのを
妄想しては踏みつけて
踏みつけて踏みつけて
混沌に満ちた破壊の中で
一切の静寂を忘れては
ただただ涙に濡れる
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