飲み込むそばから消えてゆく(たとえばあまりにも膨大な嘘が)/ホロウ・シカエルボク
 
うロットン?詐欺にあったような気分なんて毎日感じているさ、俺は自分を騙すのが得意だからさ―闇雲に懸命さを売りにするのはよしなよ、そんなの本当に嘘つきだぜ、言葉さえあればいいだなんて、適当に誤魔化すのはよしなよ、言葉はお前のすべてから産まれてくるんだ、躍起になって、呼吸を止めずに、時には自分に反して、確かなものを築き上げてゆくんだ、他人のことなんて考えることはない、お前自身が作り上げたものがお前の気に入るかどうかなんて、いったい他の誰に聞けばわかるって言うんだい?俺は血眼になって新しい暗闇の中に飛び込んでいく、だけど時々は赤ん坊みたいに、ぺったりと座って欠伸を繰り返していたりもしてるんだぜ、わかるだろう、たったひとつ、そこに小さな穴が開けば、いままで覚えてきたことのすべてがそこへ向かって流れ込んでゆく、渦に飲まれて、いずこかへ放り出される、そうしてまた、ページの端っこを探して、どうにかこうにか捲っていくのさ…。

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