棚から湧き出た木霊からの触発()/ふじりゅう
(指でなぞったアルバムの絵描き歌
(モノクロのほっぺがエコーする畳の角
(それは堕落
(あれはギンヤンマ
(黒の鉛筆の落書き
空蝉をからかう彗星の真下、
自由帳という物質が力づくで開いた扉、
の真下にこびり付いた足跡が
取
れ
な
い
、
取れない、
棚の木霊・・・
(・・・こだま・・・
カナ・カナ・カナ・・(カナカナ・カナカナカナ・・・
指で躍動するアルバムの絵描き歌
せんが、ふわっと
こっちに いったり あっちに
きみは むしして ゆうらんせんのような えがお
かなしばりにあいそうな ぶあいそう
再び時計を逆回しにして遊ぶ
モノトーンの情熱
(あ、ギンヤンマ飛んだ
それは堕落
薄ら寒い涙痕 それは太陽から逃げる箒星の尾のように
摩耗したカセットテープのような アルバムの一部と化す
カナ・カナ・カナ・・・(カナ・・・カナ・・・・・・カナ・・・
)
閉じたら大人の私の足。
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