赤く渇いたシュルレアリスム/ホロウ・シカエルボク
にもない一本道を歩き続けているだけの映画みたいなものだった、ただ太陽と月が入れ替わり、季節が入れ替わり、それとともに歳を取るだけだった。もしもこの壁が壊れもせずただ自分に亀裂を走らせ続けるだけだというのならその意味は理解出来ないが現象としては馴染み深いものだった、単調さは生き続けるためのポテンシャルだというわけだ…俺はそう考えながらしばらく亀裂が走るのを目で追っていたが、ふいに手を伸ばしてその壁に触れてみた、すると…その瞬間に亀裂は走るのを止め、一瞬時間までが停止したかのような錯覚が訪れた、それから、亀裂を覆うように赤いものが染み出してきた、信じられないことだがそれは確かに血液だった―始めは瘡蓋を
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