You Can't Always Get What You Want/ホロウ・シカエルボク
手紙をどこへやったのか忘れてしまって
記憶の上には日常が積み上げられている
たぶん営業時にはテントの端かなにかを結び付けるのだろう
商店の前に置きざられたブロックに腰を下ろす
雨が降り続いている、悲鳴は二度と聞こえてはこなかった
携帯に保存された古いメールを読み返す
いまでは途切れた連中のものばかり選んで
あいつらがどんな気持ちでこれを書いたのかと
おれはいくらかでもそれをきちんと読み取ることが出来ていたのかと
そんなことしても
なにもかも手遅れだってことはわかっているんだけど
こちらを値踏みしながらタクシーが通り過ぎる
ごめんな、歩いて帰ることが出来るところに住
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)