君よ、空は明るい/ホロウ・シカエルボク
 


シッカロールぶちまけたみたいな目覚め
水泡のような光が
カーテンの隙間でうずくまってる
殴り飛ばすみたいに引き開けると
強姦のような朝日が目の前で睨んでいる
君よ、空は明るい


長袖のシャツで隠した腕には
言うに言われぬ痛みどもの覚え書き
石だらけの海岸を思わせる皮膚が
隠した思いの沈み込む海底へと続いている
君よ、空は明るい


心臓に堆積したハルシオン
五階から飛ぶ夢
血溜りの踊り場
不協和音のワルツ
煤だらけの手すり
君よ、空は明るい


花火大会の夜に
居なくなった人の名前は
塗り潰されたアドレス帳の中
居るような居ないような
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