おどけた街の少女/ふじりゅう
 
小さな小雨が
おどけた街を照らす
水遊びが楽しげな少女は
明日 何処へ行く
点線をなぞって
普段は飽き飽きの
恋のものがたりを
本当は求めていて
しなびた漬物のように
老いていくのだろうか
再び手を振る涙が
群れになって襲う
その時また 天才の言葉を失う
ちっぽけな友情ばかり
肩にぶらさげながら

浮流する人間の恋の残骸を
拾い集めている
立ち上る声届かぬ有様を
ずっと見つめている

普段はミミズのように
あるいは糸引く蜘蛛のように
風に逆らう蝶を想うだけ
瓦の隙間から少しずつ
落ちて形作るキューピットで
見知らぬ仕草を拾いたいだけ

小さな
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