銀河へ/玉響
とうとう
宇宙の銀河へと旅立ちました
夏の暑い日にゆく道は
かなへびが虹色にかがやき
空には蝶やとんぼが舞い
山鳩が見送りました
たかさごゆりがお辞儀をし
芙蓉の花が揺れました
あなたが遺したもの
それは、私たちへの、無名のおくりもの
野の花のスケッチ
庭に植えた桜の樹
手編みのセーター
数えきれないほどの思い出すべてが
私たち家族へのおくりもの
最期の日
「ありがとう」と微笑み、手をにぎった
さいごのさいごまで
あたたかなおくりものをくれたひと
あなたを見送り
今 夏の星空を見上げて思う
生まれ変わっても
私はあなたの子どもになりたい
またいつか逢いましょう
ありがとう お母さん
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