雨上がり/AB(なかほど)
 
その雨は
もう降らないとあきらめる
もう降り止んだかとあきらめる

魚屋の前ではきっと
夕焼けが足り
ないなんて俯くだろう

そして今
空から降りるチンダルの光のはしご
指を零れて

色の無い柔羽集め翼へと
そして広がり
ゆらぎはじめる





そのあめは もうふらないと あきらめる
もうふりやんだ かとあきらめる

さかなやの まえではきっと ゆうやけが
たりないなんて うつむくだろう

そしていま そらからおりる ちんだるの
ひかりのはしご ゆびをこぼれて

いろのない やわはねあつめ つばさへと
そしてひろがり ゆらぎはじめる




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