作りたての笑い声/秋葉竹
黄昏は雪の精が溶ける
爪を立てて
死んでゆく
そして水になり川になり
海になり
そして
星になる
そして
朝になる
太陽の微笑みを
遮る雲の波は
小さな白い花ビラを
なんまいでもなんまいでも舞散らかし
そこに
虹の橋がキラキラと架かって
もう
生まれたてのあなたが
狂ったように
生きることを嫌がって泣く
しわしわの顔を
思い出す
その透明な哀しみが
こころを濡らして
掠れた雪の精の声で
そっと(好きになるかもしれない)と
作りたての嘘を悪気もなく
囁くそういう世界は
愛と平和が勝ち取った
とてもしあわせな時間の海なのだろう
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