僕らはいつも自分だけの譜面を探しているように/ホロウ・シカエルボク
に腰を掛けて食堂の入口で売っている小さなパンを食べていると、三日に一度くらいの割合でアキが通りがかって、ちょっとした話のついでに並んで昼食を食べて行った、特別な話は別になかった、たわいもない共通の話題、小テストや担任のことを話しただけだった、僕らはともにそういう話をするのに最適な相手だった、いまにして思えばなにかしら共通の感覚がそこにはあったのだろう、そしてどうしてかわからないのだけど、僕は彼女と昼休みに話すと、不思議と五時間目をサボタージュしてしまうときがあった、もちろん単位というものがあったから毎度毎度というわけにはいかなかったけれど…それは僕自身とても不思議に感じている現象だった、何ヶ月もそ
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