渇き/坂本瞳子
 
湿った肌が疼くのは
長く続いた雨が束の間
止んだからかもしれない

深く重く連なる雲の向こう側に
隠れているであろう太陽など
垣間見たいとは思いもしない

仰向けになって
腕で額と目を覆って
膝を捩ってみるけれど

怠惰な時間は停滞を続け
この肌の奥底を弄び
徒(いたずら)に放置する
戻る   Point(1)