渇き/
坂本瞳子
湿った肌が疼くのは
長く続いた雨が束の間
止んだからかもしれない
深く重く連なる雲の向こう側に
隠れているであろう太陽など
垣間見たいとは思いもしない
仰向けになって
腕で額と目を覆って
膝を捩ってみるけれど
怠惰な時間は停滞を続け
この肌の奥底を弄び
徒(いたずら)に放置する
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