洗礼/
ミナト 螢
傷口に染みるレースのカーテン
それはもう記憶という結晶が
穴だらけだから光を通して
埋めようとする誰かの言葉で
白い沈黙に乗せた身体は
人間を忘れ自然を聞いた
鳴き声だけで寄り添っていられる
鳥たちの羽根が夢を撫でてゆく
届けたいものは高い空でこそ
輝けるのだと指差す場所に
滑り台を置く雨上がりの午後
入り口も出口も分からないけど
僕は多分ここで大人になる
戻る
編
削
Point
(0)