本能と理性の境界のあいまいな場所から/ホロウ・シカエルボク
 

いささか崩れた螺旋の軌道を半睡の水晶体の転がりで追いかけながら、その夜に貪り倒す空虚の後味は渇望の挙句の死体みたいで、仰向けの俺は小さなライトの光を世界の真理のように見つめている、ヘヴィ・メタルは激しさを増すほどに抒情的な旋律を鮮やかにする、部屋の壁で跳弾するそれぞれのセクション、センテンス…もの思いを垂れ流す頭の調律の仕方を知らない、気がふれる前に覚えたタイピングの数々をひとつずつ探りながら、夜明けが来る数時間前に指先は剥き出しの俺をもぞもぞと形作るだろう、感触が必要とされる、解釈よりもよっぽど必要なことさ、なまじ文字が読めるやつは意味でがんじがらめになるが、読めないやつは分かるところだけ抜
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