ばらばらに固まり、渦巻いて飛び散っていく/ホロウ・シカエルボク
濡れた髑髏が歯の奥で嗤うような声が頭の片隅にいつも聞こえている、それは湿度を伴うものであり、受信後に生じる感情には生憎と名前が付け難い…蛇の這いずる音を集音装置で拾ったものをある程度の音量で聞いているようなものだと言えば少しは想像がつくだろうか?とはいえ、そんなイメージを促してみたところで、そしてそれが上手くいったところで、あるいはしくじったところで、どんな成果も得られるものではない、他者の内面に潜むものをこうだと誰かに定義してみせることにどんな意味がある?どんな意味もない―けれど、こういうものだと働きかけてみることには、もしかしたらある程度の意味はあるかもしれない、思えばそんな曖昧なものとと
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