アボガドのサラダ/秋葉竹
 

やまどりの
朗読するように
心涼やかに
鳴く声を
聴く

山頂の展望台好きな
ヤマノムスメは
深い谷川に
落とされて
沈められ

あられもなく
ただ死にゆく
そんなさだめを
知る

涙をふいて
ニッコリ微笑んで
優しい光を浴びた
幸せを胸の奥まで
探して
いる

土曜の朝に
微かに光る
懈怠の果ての竜胆
その夜に浴びる
虚言の
アボガドのサラダが
美味しい
という
時が止まった人生の中で
紙の月の光からもらった
安らぎの視線を
感じて
いる




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