饒舌なハレーションの朝/ホロウ・シカエルボク
昨夜の酷い雨が連れてきたボロボロの木の枝が、川の分岐に設えられた水門の脇でおざなりな寝床のように積み上げられている、そこで眠っているのは生まれたばかりの数匹の子猫の死体だった、明けたばかりの木曜はすでに薄気味悪いほどに晴れ上がっていて、梅雨時の執拗な湿度とともに不快指数の針を極限までに振り切ろうと目論んでいた、急いで飲み干したインスタントコーヒーのせいで喉は焼け付いている、正直言ってそんなにいい気分じゃなかった、腰までの低い堤防の側を山裾の広い道路の方へと歩いている俺は控えめな殺人者みたいな感情を人知れず尖らせていた、年代物の錆びついたスーパーカブが放置されている更地を通り過ぎて閉じたシャッタ
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