人の声/三月雨
 
動転する時間の中で
呼吸の仕方をふと忘れて
明日はどこで君と会うのだったろうかと
真剣に考える

手足はバラバラ
思い通りには何一つ動かない身体
持て余して雲を数える
一切れ、二切れ、

目に見えないくせに何よりもリアル
インターネットの向こうで顔の知らない友達が口々になにかを

助けを求めているかもしれない
あるいは救いの手を差し伸べてきているのかも

なにもかもはっきりしない
他につかない足

ただ、ただ、みんなが、誰かが、

何かを叫んでいる 口々に

動転する世界の中で

何かを




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