なんとまあ救いのない/坂本瞳子
サメザメと降り続ける冷たい雨は
なんのためであろうか
この汚れた惑星(ホシ)を浄化でもしているのか
ありとあらゆるゴミを洗い流してくれているのか
そんなことをしようとも
この心から疲労感が払拭されることはなく
絶望感が救われることなどましてなく
無愛想な子供の態度が改善されることもなく
誰かの笑顔など取り戻せやしないのだから
冷たい雨は降り続ける
明日も明後日も明々後日も
もう永遠に日の目をみることはないのかと
そう思われるほどに降り続く
ただサメザメと音を立てて降り続くこの冷たい雨は
もう永遠に止むことがないのだろう
この身を忌まわしく思えばいいさ
恨めしく思いたまえよ
それだけの話しだ
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