愛しのマリ/ふじりゅう
 
陽を探し求めている向日葵に
静かに唾を吐き逃げ帰った

誰も待たない信号はずっと黄色の夜
間違ったかっこよさを捻じ込まれた脳味噌の価値観
宇宙一の敗北をボディに受け起き上がれない
粘土で作った君で毎晩慰めて眠る日々
また徒に何百人も殺してティッシュで拭き取った
今日もどこかの教会で鐘が鳴っているだろう

窓の隙間から流れる 生温い風
眠るマネしながら聴こえてくる愛しいあの子の声
だけれども 疎外の地へ半歩踏み出たままマリはダサい合いの手
マリを一ミリも救えない
温もりを抜いて、
楽しさ偽って、
フフと笑った 微かなマリの笑顔を見るべく目を覚ました
籠絡されたような あるいは目眩のしそうな
あるいは闇深く逃げ込んだかのような
疎外というヒルを振り払う決死の笑顔が
大好きだよ、愛しのマリ。
その笑顔を見たかったんだ。


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