小学生日記「下から燃える」/瓜田タカヤ
重なる。
「今だ!」と思い100円を入れようとするが、線とコインがずれて「カス!」
っと間の悪い音を立てる。頭が真っ白になり立ち止まる。
そしてまぶしい顔で普通にお金を入れた。
自動販売機に金を入れる行為に、これほどの神経を使うのを、
何もバカらしく思わないぜ!小学生だから。
そして最後は中畑だ。
中畑は金を入れて購入する本のボタンも押さなくてはならない。
中畑は冷静に金を入れボタンを押した。
そしてゴトンと鈍い音と共にそれは中畑の手に持たれ、
そのままスムーズに彼の上着内へとスライドしながら、
オレと毛内の元へと戻ってきた。作戦成功だ!
「見よう」「見よう!」
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