やぁ! さようなら!/渡辺八畳@祝儀敷
 
何も語らず、微笑みながら
君は夜の川へと飛びこんだ
じゃぽんという音とともに
鉛を溶かしたような色の水球がはじける
あっけにとられる間も無く急速列車が横切って
窓から見える人人人
ごく一部だけ鉛が浄化され
そこもすぐに再侵食され
皮膚の細胞ひとつひとつを由来がわからない風が撫でる

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