東京少年 (皆のウタ)/虹村 凌
 
っていないようで
本当は一番理解してくれていた
僕達は何に背を向けていたのだろう


東京少年
空を見上げる
雨が降りしきる世田谷の街
僕達は傘をささずに歩き回っていた
冷えた身体を抱きしめて
ひとときの幸福を噛み締めていた

東京少年
空を見上げる
雨が降りしきる世田谷の街
僕達は何もわからずに生きていた
口付けた感触を何時までも覚えていた
このまま世界が終わればいいと思っていた


裕福な僕らは何でも手に入れる事が出来た
要らないモノが多かったとしても
何だって手に入れてきたんだ
ひとときの不良ごっこに道を見た気がして
僕達は何かに抗ったんだ

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