青い目/鈴木歯車
生姜焼き定食なんて食べながら「来世もヒトがいいね」と言った
煙草ならしっかり消した 不審火で死んだ友への無実をこめた
泣くだろうけれどいつかは聞かなくちゃ、ぼくの右目が青い理由を
思い出は美しいなんて嘘なんだ酒酒酒酒酒酒をくれ
ここは砂の国 おそらく夢想家は1000の言語で海と呼ばれる
いつまでも聞いててあげる いちどだけぼくを殴った昔の話
「父さんにそっくりの字」と母は言う 彼の写真も知らぬ私に
想像の夜はいつでも涼しいか、精液のように夕立が降り
ランドセル置いて出てった日々たちよ 今はスーツの君に輝け
浴室をブラシで掃除するだけでゲルニカを描くピカソの気分
指の隙間を埋めたくて君の手を見つめることも恋だったよな?
戻る 編 削 Point(1)